コラムno.2 鳥インフル

HOME > コラム > column_002

高病原性鳥インフルエンザ情報 201611月

2016年は年度初頭より、鳥インフルエンザの人間への感染が世界各地で報告されております。アフリカ、ヨーロッパ、東南アジア、China中国、オーストラリアで高病原性といわれるH5とH7血清型タイプの人の患者の死亡が確認されています。

H5血清タイプでは死亡が60%とアメリカCDCにより警告されています。

しかし、低病原性といわれるH9血清型でもChina中国では複数の重体患者の報告がありその後回復したかどうかは不明です。

鳥インフルエンザ ウイルスは、世界の 100 以上の異なる種の野鳥から分離されています。高病原性が、分離されたウイルスの大半は低病原性鳥インフルエンザ A ウイルスをされています。
カモメ、アジサシ、シギ ・ちどり類、カモなどの水鳥、ガチョウおよびハクチョウは、鳥インフルエンザ ウイルスの潜在宿主と見なされます。
昨年度から、北米でカモ類の野鳥とアヒルの家禽の間で、H5血清型の鳥インフルエンザウィルスが大規模流行し、2016年でもアラスカのmallard duckカモで発生が確認されていました。

日本では秋になり渡り鳥が南北から飛来します。私は先の情報をもとに今年の秋の鳥インフルエンザの発生に警鐘を鳴らしていました。そして先週、新潟県と青森県では養鶏場などで飼育されているニワトリやアヒルの死体から鳥インフルエンザウイルスH5血清型が検出され、50万羽以上の処分が行われることになりました。
野鳥の侵入を防ぐことは困難で、集団に感染が広がれば、養鶏農家などに多大な被害が出ます。また、アジアやヨーロッパでは飼育場の人にも死亡患者が報告されています。
従来、鳥インフルエンザは人に感染しないとされ、ヒトインフルエンザと区別されていました。このウィルスは野鳥の体内では病気を引き起こしません。ところが何らかの変異を遂げたこのウィルスは、鳥類に対して高い病原性を獲得し「H5型」や「H7型」と呼ばれる鳥インフルエンザウイルスになりました。そして、今では鳥から人へ感染し、さらに人から人へ感染する可能性をWHOでは警告しています。

日本での流行はウィルスを体内にもつ渡り鳥が、シベリアから北海道を経由し南下するルート、極東ロシアから日本海を横断して東進するルート、中国大陸から朝鮮半島を経由するルートの三つのルートをとって入り、日本の湿原などにて排便をした際にフン中のウイルスが拡散し、留鳥や家禽に感染すると考えられます。

留鳥のスズメに感染した結果、スズメが養鶏場に侵入することで感受性の高いニワトリが大量感染した疑いがもたれています。

また、感染したニワトリの死骸を食べたカラスが死亡した例があります。

感染する鳥として環境省は、

・カモ科 ・タカ科 ・ツル科  ・フクロウ科  ・カモメ科  ・ウ科

・サギ科 などをリスク種として挙げています。これは単に発見する可能性が高いという意味で、感受性が高いということではないと思われます。


渡ルート.jpg
HPAI_watariroute.pdf


停止状況.jpg


現在、複数の個所から複数の感染が確認され、環境省は対応レベル3とし、国のマニュアルでは、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された養鶏場から半径3キロ以内の養鶏場にニワトリや卵の移動を禁止するとともに、3キロから10キロの範囲にある養鶏場に対しては域外への出荷などを禁止する対策を行うことになっています。

会員の皆様へ

・もし、屋外で野鳥の死骸を発見した場合には鳥には触れず、その地の役場に連絡してください。 主に家畜保健所にてウィルスの検査を実施します。高病原性鳥インフルエンザは法定伝染病であるので、国の機関は24時間対応で直ちに所定の検査や防除を行う義務があります。

・もし集団で弱っている鳥や死骸を発見した場合には、鳥インフルエンザの可能性が高いと考え、周囲の鳥を探したりせず直ちにその場を離れ役場などに連絡してください。野鳥は警察の管轄外ですので間違えませんように。

・野鳥での発症データは不明ですが、ヒトでは発症前の1日から7日前に感染したと考えられ、感染後3から7日で発病するといわれています。野鳥でも同様な期間と考えてください。

・対応をよくわかっていない役場では、袋に入れて持ってきてなどというかもしれませんが、それは危険ですので当該役所に対応してもらってください。感染鳥を移動した場合、また、足を踏み入れたことにより汚染場所が広がる可能性があります。

・当院でも簡易キット検査はできますが、緊急用ですので対応いたしておりません。

・ペットの鳥は屋外の鳥と接しない限り、感染することはありません。

・万一、感染した鳥を食べた場合でも70度以上に加熱していれば感染することはありません。風評被害になりませんように。

                2016年  11月30日

               石山通リ動物病院   斉藤 聡

12345